PERCH.
八王子の一角に設けた、カフェの設計。
既存躯体を大きく隠しきることなく、その中に白いボリュームを挿入するような構成としました。
コンクリートの荒さや補修跡、開口まわりの不均質さといった、もともとこの場所にあった要素を残しながら、それに対して新しく加える部分は、できるだけ明快な形状としています。
空間全体を均質に整えるのではなく、異なる質感や状態がそのまま並ぶ関係をつくることを考えました。
中央には、カウンターと厨房機能を一体化した大きなカウンターを配置しています。あわせて天井に同じようなボリュームを設けることで、店の中心となる領域を明確に定めました。
家具や什器もすべて特注で製作し、形状や寸法、塗装の質感まで含めて、全体の見え方が過剰に散らばらないよう調整しています。客席まわりも、居場所を細かくつくり込むというより、立つ・座る・待つといった行為が無理なく収まるよう、最小限の構成としています。壁際のベンチやハイテーブルも、使い方を限定しすぎず、滞在時間や人数に応じて自然に使い分けられるように考えました。
この場所では、既存の粗さを消すことよりも、それに対して何をどこまで差し込むかを丁寧に整理することを重視しています。
新しく加えた要素が、空間を塗り替えるのではなく、もともとあった背景の上に、重心を与えるようなあり方を目指しました。
2026.3
type : interior,furniture
place : Hachioji-shi
client : PERCH. @perch_dot
design : saiku
Construction : saiku
photo : kohei tahara @kohei tahara