about

and father

街路に面した一画に構えた、セレクトショップ。

and fatherは、これまでの活動を経て、新たな拠点として2店舗目を構えることになりました。新しい場所をつくるにあたっても、意味や役割を過度に与えるのではなく、人が入り、服が並び、時間が積み重なっていく中で、使われ方が定まっていくことを前提としています。
本店舗では、1店舗目とは異なる距離感や密度を持つ場であることも意識しました。近くにあれば立ち寄りたくなる場所ではなく、そこへ向かう時間そのものを含めて体験として成立するような、少し踏み込んだ位置づけとして捉えています。
既存のスケールを受け止めながら、その内側にひとつの箱を差し込むような構成としました。入口から奥へと連続する床・壁・天井を同一の素材でまとめ、通路のような、トンネルのような奥行きをつくっています。
家具や什器はすべて特注で製作しています。ハンガーラックや什器は、動線に沿って配置し、流れを遮らないことを優先しました。形や寸法を抑え、使われ方に余白が残る距離感を意識しています。
奥へ進むにつれて、外の気配が少しずつ薄れていき、自然と足が前に向く構成としました。単純な一室にならないよう、奥行き方向の見え方や、フレームの重なり方を調整し、進むごとに感じ方が変わるようにしています。素材や色数は必要最低限にとどめ、使い方を決め切らないことを前提としました。
服が置かれ、人が入り、時間が積み重なることで、少しずつこの場所のあり方が定まっていくことを想定しています。
and fatherは、奥に入りたくなる感覚をそのままかたちにし、服と向き合う時間が自然に生まれるように考えた場所です。

2025.11
type : interior,furniture
place : Chiyoda-ku
client : and mother  @and__father
design : saiku
Construction : saiku
photo :  kohei tahara @kohei tahara